無垢フローリングの種類を“性格”で整理する一覧表|後悔しないための樹種比較

無垢フローリングについて、
ある程度調べ尽くしたはずなのに、最後の一歩が決めきれない。
そんな状態に心当たりはないでしょうか。
樹種の違いも分かっている。
オークが安定していることも、アカシアが個性的なことも知っている。
それでも、「どれを選べば後悔しないのか」が見えなくなる。
それは知識が足りないからではありません。
むしろ、しっかり考えているからこそ起きる迷いです。
無垢フローリングは、
数値やスペックだけでは決められない素材です。
傷、色ムラ、経年変化――
どれも“あるかないか”ではなく、
どう付き合うかが問われます。
このコラムでは、
無垢フローリングの樹種を「おすすめ順」で並べることはしません。
代わりに、それぞれの樹種が持つ“性格”を一覧で整理し、
自分に合う・合わないを考えるための視点をまとめました。
答えを出すためではなく、
納得して選ぶための地図として、
ここから読み進めてみてください。
目次
なぜ「樹種一覧」を見ても決めきれないのか?
無垢フローリングを検討していると、
一度は樹種一覧を見比べることになります。
それぞれの特徴を理解しているはずなのに、
最後に「これにしよう」と決めきれない。
そんな状態に陥る人は少なくありません。
理由は単純です。
多くの樹種一覧が、比較しやすい情報しか並べていないからです。
(・・・ん?・・・たしかにそうかも・・・。)
硬さや価格、色味の違いは分かっても、
リアルなところ
- ✓ 傷が付いたときにどう感じるか
- ✓ 色ムラを受け入れられるか
- ✓ 数年後の変化を楽しめそうか
といった、使い始めてからの感覚が気になる。
無垢フローリングは、
どの樹種にも必ず一長一短があります。
「どれが一番いいか」で考え続ける限り、
答えは出ません。
(・・・え、そうなん?って絶望しないでくださいね。)
必要なのは、
自分が何を許容できるかという視点です。
このコラムでは、
樹種を人気順に並べたりはしていません。
「一番いいのはどれ?」と聞かれても、
正直、木だって困るでしょうから。
そうではなくて、
それぞれの樹種をひとつの“性格”として見てみる。
そんな整理の仕方をしています。
無垢フローリング選びは「樹種選び」ではなく「性格選び」
無垢フローリングを選ぶというと、
つい「どの樹種にするか」という話になりがちです。
けれど本当は、
木の名前を選んでいるのではなく、
その木が持っている“性格”を選んでいるのかもしれません。
少し立ち止まって、
こんなふうに考えてみてください。

硬い=傷が付かない、ではない
「硬い木なら安心ですよね?」
と聞かれることがあります。
たしかに硬さはひとつの目安です。
けれど、硬いからといって傷が目立たないとは限りません。
- ✓ 硬さと、傷の“目立ち方”は別の話
- ✓ 木目や色、仕上げによって印象は変わる
大切なのは、
傷が付くかどうかよりも、
その傷をどう感じるかかもしれません。
安定している=動かない、ではない
「安定している」と聞くと、
まったく動かない素材のように思えます。
でも無垢材は、生きている素材です。
多少の伸び縮みは、どの樹種にも起こります。
- ✓ 問題は“動くかどうか”ではなく、どう動くか
- ✓ 季節によって、その変化の出方は違う
動きがあること自体を欠点と見るのか、
自然な変化と受け止めるのか。
そこにも、相性があるのです。
美しい=施工直後がきれい、ではない
施工直後の床は、どれも本当にきれいです。
けれど無垢フローリングの魅力は、
むしろその先にあります。
- ✓ 時間とともに色が深まるもの
- ✓ 使い込むほど味わいが増すもの
- ✓ 数年後に評価が変わる樹種もある
今きれいかどうかだけでなく、
数年後にどう感じていたいか。
そんな視点も、性格選びには欠かせません。
【思考軸別】無垢フローリングの種類一覧

安定性を重視する人向けの樹種
該当樹種例
補足解説
- なぜ安定しやすいと言われるのか
- 表情とのトレードオフ
- 「無難」と言われる理由の正体
表情・個性を楽しみたい人向けの樹種
該当樹種例
補足解説
- 個体差・色ムラとの付き合い方
- 設計・空間側に求められる許容度
- 均質さを求める人には不向きな理由
足触り・柔らかさを優先したい人向けの樹種
該当樹種例
補足解説
- 傷は避けられない前提
- 「傷=劣化」と考えると後悔しやすい
- 住宅の使い方との相性が重要
経年変化を楽しみたい人向けの樹種
該当樹種例
補足解説
- 色がどう変わるか(方向性)
- 日焼け・家具跡との付き合い
- 経年で評価が上がりやすい樹種の特徴
無垢フローリングの樹種別・比較一覧表
以下に、無垢フローリングの主要な種類(オーク・バーチ・アカシア・栗・杉・ヒノキなど)を、安定性・表情・傷の出方・経年変化の観点から比較一覧でまとめました。
| 樹種 | 安定性 | 表情 | 傷の出方 | 経年変化 |
|---|---|---|---|---|
| オーク | 高 | 中 | 目立ちにくい | 深く落ち着く |
| バーチ | 高 | 弱 | やや目立つ | 飴色に変化 |
| アカシア | 中 | 強 | 馴染みやすい | ムラが強まる |
| 栗 | 中 | 強 | 馴染む | 渋みが増す |
| 杉 | 低 | 中 | かなり出る | 濃くなる |
| ヒノキ | 低 | 弱〜中 | 出やすい | 黄味が増す |
※この一覧は「おすすめ順」ではありません
※“どれを選ぶか”より“何を許容するか”を整理するための表です
樹種ごとの「注意点」は欠点ではなく、性格である
無垢フローリングを検討していると、「注意点」や「デメリット」という言葉が気になりがちです。
しかし実際には、それらの多くは欠点というより“性格”に近いものです。
問題になるのは、その性格を知らずに選んでしまったときです。
オーク|「無難」の裏にある注意点
オークは安定性が高く、無垢フローリングの定番として選ばれることが多い樹種です。
一方で注意したいのは、「無難=満足度が高い」とは限らない点です。
木目や色味が比較的均質なため、
空間全体の印象を床で作りたい人には物足りなく感じることがあります。
・床はあくまで背景でよい
・家具や建具で表情を出したい
こうした考え方の人には向きますが、
床そのものに個性を求める場合は、慎重に検討した方がよい樹種です。
バーチ(カバ)|明るさと繊細さのトレードオフ
バーチは明るく、空間を軽やかに見せてくれる樹種です。
ただし、色味が淡い分、汚れや細かな傷が視覚的に出やすいという特徴があります。
硬さ自体は十分でも、
・生活傷
・椅子の引きずり跡
・黒ずみ
といった要素が気になる人には、ストレスになることがあります。
「きれいに使い続けたい」という意識が強い人ほど、
この繊細さを負担に感じやすい点は注意が必要です。
アカシア|個性と均質さは両立しない
アカシアの魅力は、はっきりした色差と木目の強さです。
その反面、一枚一枚の表情が大きく異なるため、均質さを求める人には不向きです。
・写真で見た印象と違う
・施工後にムラを感じる
といった声が出やすいのもこの樹種の特徴です。
逆に言えば、
「自然素材らしさ」「偶然性」を楽しめる人にとっては、
これ以上ない魅力を持つ樹種でもあります。
杉・パイン|傷をどう捉えるかで評価が分かれる
柔らかい針葉樹は、傷が付きやすいことを避けられません。
ここで重要なのは、傷そのものより“傷の受け止め方”です。
・傷=劣化 と感じる人
・傷=生活の跡 と感じる人
この価値観の違いで、満足度は大きく変わります。
施工後しばらくしてから後悔が出やすいのは、
「分かっていたつもりだった」ケースです。
栗|強さと素朴さの裏にある「ばらつき」
栗は比較的硬く、耐久性があり、水にも強いとされる樹種です。
実用性の高さから評価される一方で、注意したいのは表情のばらつきです。
色味・節・木目の出方には個体差があり、
施工後に「思っていたよりラフ」「少し野暮ったい」と感じる人もいます。
・自然素材らしさ
・少し荒さのある表情
こうした点を魅力と感じられるかどうかで、満足度が大きく分かれます。
整った印象やシャープさを求める空間には、慎重な判断が必要な樹種です。
西南サクラ|上品さと経年変化のギャップ
サクラはきめ細かい木肌と、やわらかな赤みを持つ上品な樹種です。
施工直後の印象に惹かれて選ばれることも多いですが、
注意したいのは経年変化による色味の変化です。
時間の経過とともに、
・赤みが増すor黄色味がでる
・全体的に色が濃くなる
といった変化が起こり、
「最初に見ていた淡い印象とは違ってきた」と感じるケースもあります。
経年変化そのものは悪いものではありませんが、
初期の色味だけで判断すると、後でギャップを感じやすい樹種です。
ヒノキ|香りと柔らかさは好みが分かれる
ヒノキは独特の香りと、やさしい足触りが特徴の樹種です。
素足で過ごす空間では、高い快適性を感じやすい一方で、
注意点もはっきりしています。
まず、柔らかいため傷が付きやすいこと。
そしてもう一つが、香りの感じ方に個人差がある点です。
・心地よいと感じる人
・強すぎると感じる人
評価が分かれやすく、
家族全員の好みが一致していない場合は注意が必要です。
ヒノキは性能だけでなく、
感覚的な相性が満足度を左右する樹種と言えます。
結局、どの樹種が多く選ばれているのか
無垢フローリングを一通り検討した結果、
最終的に選ばれることが多い樹種は、やはりオークです。
(ほ~ら、やっぱり。と思っていますね?)
ところがこれは、
- 一番おしゃれだから
- 一番高性能だから
- 一番おすすめされるから
という単純な理由ではありません。
オークが選ばれる理由は「欠点の少なさ」ではない
オークはたしかに、
安定性もあって、丈夫で、扱いやすい。
いわば優等生タイプの樹種です。
でも、ここでひとつ。
「バランスがいい」というのは、
「欠点が少ない」という意味でしょうか?
実は、ちょっと違うのです。
たとえばクラスにひとり、
何でもそつなくこなす子がいますよね。
足も速いし、勉強もそこそこできる。
でも、ものすごく目立つ特技があるわけでもない。
それが悪いという話ではありません。
むしろ、一緒にいて安心できる存在です。
オークも、少しそれに似ています。
木目は比較的おだやかで、
強烈なクセがあるわけではない。
色味も極端ではなく、
時間がたてばゆっくり落ち着いていく。
劇的に「わあ」と変わるわけでもないけれど、
気づけば、ちゃんと馴染んでいる。
つまり、
オークが選ばれる理由は
「欠点がないから」ではなく、
一緒に暮らす姿が想像しやすいからなのです。
毎日顔を合わせても疲れない。
長く付き合っても、急に裏切らない。
そんな安心感が、
最後の最後に効いてくるのかもしれません。
それでも選ばれるのは、
「許容しなければならないポイントが、想像しやすい」からです。
検討が進むほど「扱いやすさ」の価値が上がる
検討初期では、
- 木目がきれい
- 個性的
- 無垢らしい
といった要素が強く魅力的に見えます。
しかし検討が進むにつれて、
- 家族全員が使う
- 何十年も付き合う
- 暮らし方が変わる可能性がある
といった現実的な条件が増えていきます。
この段階になると、
扱いやすさ・想定外が起きにくいことが、
強い価値として浮かび上がってきます。
「オークに戻る」のは、妥協ではなく整理の結果
アカシアや栗、針葉樹などを真剣に検討したうえで、
最終的にオークに戻る人は少なくありません。
これは決して、
- 個性を諦めた
- 無難な選択に逃げた
ということではなく、
自分たちの許容範囲を整理した結果です。
- 多少の傷は受け入れられる
- でも色ムラは気になる
- 経年変化は楽しみたいが、極端なのは避けたい
こうした条件を積み上げていくと、
自然とオークに収束するケースが多いのです。

それでもオークが合わない人もいる
一方で、明確にオークが合わない人もいます。
- 床に強い表情を求めている
- 空間の主役として床を使いたい
- 均質さよりも素材感を優先したい
こうした考え方の場合、
オークは「物足りない素材」になりやすいです。
この場合は、
最初からオークを避けた方が満足度が高くなることもあります。
多く選ばれる樹種=正解、ではない
重要なのは、
「多く選ばれているから安心」という考え方ではありません。
- 多く選ばれる理由を理解する
- その理由が自分にも当てはまるかを考える
このプロセスがあって初めて、
“自分にとっての正解”が見えてきます。
で?結局、なぜオークを選ぶ人が多いのか?
オークが多く選ばれているのは、
無垢フローリングを深く検討した結果、残りやすい選択肢だからです。
しかしそれは、
すべての人にとっての最適解ではありません。
最終まとめ|一覧は「答え」ではなく「地図」である

無垢フローリングの樹種を一覧で比較すると、
かえって迷いが深くなると感じる人も少なくありません。
それは、一覧表が「どれが正解か」を示してくれるものだと
無意識に期待してしまうからです。
しかし実際には、
無垢フローリングに“万人共通の正解”は存在しません。
樹種選びは、減点方式では決まらない
無垢材には、必ずと言っていいほど
- ✓ 傷が付きやすい
- ✓ 動きがある
- ✓ 色が変わる
- ✓ 個体差がある
といった特徴があります。
重要なのは、
それを「欠点」と感じるか、「性格」として受け入れられるかです。
減点方式で完璧な素材を探そうとすると、
最後には何も選べなくなってしまいます。
一覧が役に立つのは「選択肢を絞るため」ではない
このコラムで紹介してきた一覧や比較は、
「おすすめ順」でも「人気ランキング」でもありません。
役割はただ一つ、
自分が何を許容できて、何を許容できないのかを整理することです。
- ✓ 表情の強さは必要か
- ✓ 傷はどこまで気になるか
- ✓ 経年変化を楽しみたいのか、抑えたいのか
そうした問いに答えていくための、
思考の地図として使ってもらうことを意図しています。
最後に決めるのは、理屈ではなく納得感
最終的にどの樹種を選んでも、
多少の迷いは必ず残ります。
それでも、
- ✓ なぜそれを選んだのか
- ✓ どんな特徴を理解したうえで選んだのか
を自分の言葉で説明できる状態であれば、
後悔する可能性は大きく下がります。
無垢フローリングは、
選んだ瞬間より、使い続ける時間の方が圧倒的に長い素材です。
樹種選びに迷ったときは、立ち戻ってほしい
「どれが一番いいか」ではなく、
「自分はどんな床と暮らしたいか」。
その問いに立ち戻るために、
この一覧が役立てば幸いです。
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