【実験!】家庭での無垢フローリングの汚れの落とし方
みなさま、こんにちは!
今回のブログは田上が担当いたします。
以前のブログで無垢フローリングのカビによる黒ずみについてご紹介しましたが、今回は家庭内の身近なものによる汚れやシミに注目してみました。
目次
1.重曹・漂白剤・カビ取り剤が床に落ちるとどんな染みになるか実験!
キッチンや脱衣所周りを無垢フローリングにされているご家庭で汚れや染みの原因として考えられるこれらを無垢フローリングに付けて観察してみました。
重曹 | カビ取り剤 | 漂白剤 | |
---|---|---|---|
UVウレタン仕上げ | |||
オスモオイル仕上げ | |||
無塗装 |
塗布5分後に乾いた布で拭き取り
重曹 | カビ取り剤 | 漂白剤 | |
---|---|---|---|
UVウレタン仕上げ | キレイに拭き取れた。 | キレイに拭き取れた。 | キレイに拭き取れた。 |
オスモオイル仕上げ | 染みになった。 | 染みになった。 | 染みになった。 |
無塗装 | 染みが広い範囲に広がった。 | 染みが広い範囲に広がった。 | 染みが広い範囲に広がった。 |
5分後酢で拭き取り、24時間経過。
比較対象として、サンプルの中央にマスキングテープを貼り、上側を酢で拭き取った。下側は拭き取っていない。
※UVウレタンクリア仕上げは染みが残らなかったので省略。
重曹 | カビ取り剤 | 漂白剤 | |
---|---|---|---|
オスモオイル仕上げ | 薄くなったが黒っぽい染みが残った。 | 少し薄くなったが、黒っぽい染みが残った。 | 少し薄くなったが、黒っぽい染みが残り木の色が脱色したように見える。 |
無塗装 | 薄くなったが黒っぽい染みが残った。 | 少し薄くなったが、黒っぽい染みが残った。 | 色が脱色したように見える。液体が浸透し広範囲に染みが広がった。 少し薄くなったが、黒っぽい染みが残り木の色が脱色したように見える。 |
漂白力が高くだいたいの汚れはこれらを使えば何でも落ちるとお思いの方も多いのではないでしょうか?(私は大のハイター信者です。)
ご覧の通りこれらの液体は無垢フローリングに使用すると写真の様に変色するのです。
アルカリ性の液体であるため無垢材に含まれる「タンニン」と反応しこのような色になります。
※タンニンとは?
植物に含まれるポリフェノールの一種。口に入れると強い渋みを感じます。赤ワインの渋味成分としてよく知られています。
さらに、拭き取り直後の表面は木の繊維が毛羽立ち、ひどく傷んでいることが良く分かります。手に触れると荒れてしまったりするのでもちろん無垢材にとっても害のあるものなんですね。
台所や脱衣所に無垢フローリングを使用している家庭ではマットを敷くなどして、液垂れに注意ですね。
アルカリ性の汚れ・染みには酸性の「酢」が◎
「酢」は文字通りお料理に使うお酢です。酢は酸性で殺菌効果もあり、揮発性なので拭いても跡が残りにくいです。
染み部分を酢に浸した布で拭いて乾かすと少し染みが薄くなりました。
染みが完全になくなることはありませんでしたが目立ちにくくすることはできましたね。
※酢の種類によっては砂糖入りの物もあるので未使用を選びましょう。
2.油・皮脂による汚れはどうやって落とす?
さて、酢などの酸性の物の中には汚れがこびりついたり染みになるものもあります。
油・皮脂も酸性の汚れ。よく聞くのはキッチン回りの床、ダイニング、玄関、廊下などで「拭いても跡が残る」「テカテカする」といったご相談ですね。
先ほどアルカリ性の汚れや染みは酸性で落とすことができましたが、その逆で酸性にもアルカリ性で落とすことができます。
しかし!無垢フローリング本体が傷むのでアルカリ性である重曹・漂白剤・カビ取り剤などは絶対に使用してはいけません。
食器洗い洗剤で油汚れは落ちる!
食器洗い洗剤やお風呂用洗剤はほとんどが中性洗剤です。素肌への負担が少なくなおかつ油汚や皮脂汚れも落とせるので安心して無垢フローリングにも使用できます。
中性洗剤に含まれる界面活性剤は、本来混ざり合うことが無い水と油を混ぜ合わせる役目をしています。
- 【使用方法】
- STEP1 中性洗剤を水道水で10%程度に薄める。
- STEP2 雑巾に湿らせ硬く絞って拭く。
- STEP3 乾いた雑巾で乾拭きし乾燥させる。
食用油を塗布直後
UVウレタンクリア仕上げ | はじく。 |
---|---|
オスモオイル仕上げ | はじいているがベチャっと広がっているように見える。 |
無塗装 | 浸透した。 |
食用油をティッシュで拭き取り後
UVウレタンクリア仕上げ | ほぼ拭き取れたが少しテカリが残る。 |
---|---|
オスモオイル仕上げ | ぬめりが残りテカテカした。 |
無塗装 | 浸透してしまいほとんど拭き取れなかった。 |
水で薄めた中性洗剤で拭き取り後
UVウレタンクリア仕上げ | キレイに拭き取れた。 |
---|---|
オスモオイル仕上げ | キレイに拭き取れた。(※上半分拭き取り) |
無塗装 | 表面のぬめりは無くなったが染みになった。(※上半分拭き取り) |
※注意点※
- 無垢フローリングを濡れたままの状態で放置すると染み・膨れ・反り・ひび割れ・変色の原因となりますので、しっかりと水分は拭き取りましょう。
- ゴシゴシ擦ると表面を傷める原因となるので、木肌にそって一方向へ向かって拭きあげましょう。引っ掛かりがある場合は毛羽立つので逆です。
- 実験した無垢フローリングは新品の状態であり、UVウレタンクリア仕上げ・オスモオイル仕上げ共に塗膜がしっかりとある状態です。
オスモオイル仕上げのフローリングは定期的なメンテナンスが必要です。
3.手指用除菌アルコールスプレーで除菌すると染みはできる?
このご時世ですので各家庭に1つはお持ちではないでしょうか?
「フローリングを除菌したいのですがアルコール除菌スプレーを使っても良いですか?」
「子供が嘔吐したので除菌したいんですがミルトンで除菌しても良いですか?」
といったお問い合わせをいただいたことがあります。
アルコールや除菌液を無垢材へかけることで変色や染みになるのでは?!と不安になりますよね。
実際にかけてみたお写真がこちらです。
かけた直後
アルコール除菌スプレー | ミルトン | |
---|---|---|
UVウレタンクリア仕上げ | はじく。 |
はじく。 |
オスモオイル仕上げ | はじく。 |
はじく。 |
無塗装 | 浸透。 |
浸透。 |
かけたまま3分経過
アルコール除菌スプレー | ミルトン | |
---|---|---|
UVウレタンクリア仕上げ | 少し残っているが揮発した。 |
はじいたまま。 |
オスモオイル仕上げ | 揮発した。 |
はじいたまま。 |
無塗装 | 少し浸透しているがほぼ揮発した。 |
少し染みの様になっている。 |
拭いてから24時間後
アルコール除菌スプレー | ミルトン | |
---|---|---|
UVウレタンクリア仕上げ | 完全に乾いている。 |
完全に乾いている。 |
オスモオイル仕上げ | 完全に乾いている。 |
完全に乾いている。 |
無塗装 | 完全に乾いている。 |
うっすらと水染みができた。 |
アルコール除菌スプレー
アルコールは揮発性なので吹きかけても少量であればすぐに乾きましたね。
アルコール飲料と手指の消毒用アルコールスプレーのアルコールは異なります。
手指の消毒用アルコールスプレーは手肌を傷めないようにほとんどの商品があえて弱酸性化されているそうです。
なので、天然の木でできた無垢フローリングにかけても傷みにくいのですね。
ミルトン
小さなお子様がいるご家庭ではおなじみの商品ですね。
主な使用目的は赤ちゃんの哺乳瓶や食器の消毒ですが、手指の消毒などにもしようできます。
使用方法にそって20倍に薄めて使用してみました。
ほぼ水の状態ですのでアルコールの様に揮発せず染み込んでいったのだと思います。
床の消毒に使用される際は雑巾を硬く絞り水滴が残らないように気を付けなければいけませんね。
※ミルトン(液体タイプ)は第2類医薬品です。
「使用上の注意」をよく読んで、正しくお使いください。
*次亜塩素酸を含む消毒薬の噴霧は、厚生労働省より吸引すると有害であるとアナウンスされていますので行わないでください。
今回の検証に使用した無垢フローリングは新品の状態であり、実際の家庭内のフローリング状態とはことなります。
日々生活する中で塗装の剥がれや、オイルによる撥水効果の薄れも当然考えられます。
それぞれのご家庭の状態にあったお掃除方法を行いましょう。
4.まとめ
無垢フローリングの表面仕上げによって結果にはばらつきがでたので、表面の仕上げ別にまとめてみました。
UVクリア仕上げ
重曹 | カビ取り剤 | 漂白剤 | 油 | アルコール除菌スプレー | ミルトン |
---|---|---|---|---|---|
染み・汚れなし。 | 染み・汚れなし。 | 染み・汚れなし。 | 染み・汚れなし。 | 染み・汚れなし。 | 染み・汚れなし。 |
やはり、UVクリア仕上げは強いですね!あらゆる汚れや液体にも変化はありませんでした。
オスモオイル仕上げ
重曹 | カビ取り剤 | 漂白剤 | 油 | アルコール除菌スプレー | ミルトン |
---|---|---|---|---|---|
黒っぽい染みが残った。 | 黒っぽい脱色したような染みが残った。 | 黒っぽい脱色したような染みが残った。 | 染み・汚れなし。 | 染み・汚れなし。 | 染み・汚れなし。 |
撥水効果のあるオイルで仕上げているので、ある程度の水分や汚れなどははじいてくれました。しかし表面をコーティングしているような塗装ではないので浸透してしまうと染みになります。
また、オイル仕上げは定期的なメンテナンスにより撥水効果が蘇りますので小まめにお手入れしましょう。
無塗装
重曹 | カビ取り剤 | 漂白剤 | 油 | アルコール除菌スプレー | ミルトン |
---|---|---|---|---|---|
黒っぽい染みが残った。 | 黒っぽい脱色したような染みが残った。 | 黒っぽい脱色したような染みが残った。 | 染みが残った。 | 染み・汚れなし。 | うっすらと水染みが残った。 |
本来の木の状態でるためアルコール除菌スプレー以外は全て浸透し、染みになってしまいましたね。
木の素材をダイレクトに感じることができる無塗装ですがこのようなマイナス点もあります。
これも含め愛着を持って育てていく気持ちが必要ですね。
さらに無垢フローリングのメンテナンスに関してはこちらのブログもご覧ください↓↓↓
UVクリア仕上げとオイル仕上げで結果が結構違ってきてますが、この二つの仕上げの違いについてはこちらの動画でも解説しておりますので、是非ご視聴ください↓↓↓↓
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